小児の近視治療

マイオピン

小児の近視進行抑制治療(低濃度アトロピン点眼)について

小児の近視進行抑制治療(低濃度アトロピン点眼)について

近視について

近視は、目に入った光が網膜の手前にピントを合わせてしまい、遠くのものがぼやけて見える状態です。
特に小児期に進行する軸性近視は、眼球が前後方向に伸びることが主な原因です。子どもの場合は、遺伝的な要因も大きく、早期からの適切なケアが求められます。
放置すると、黄斑変性症や網膜剥離、緑内障などの重篤な眼疾患のリスクが高まり、視力障害につながる可能性があります。
近視の進行を抑制するためには、屋外での活動を増やし、近距離での作業時間を減らすなど、生活習慣の見直しと、定期的な眼科検診が大切です。

近視について

アトロピン点眼の効果

アトロピン点眼薬は、副交感神経の働きを抑えることで、眼球の伸びを抑え、近視の進行を遅らせる効果が期待できる治療法です。
特に、低濃度のアトロピン点眼は、副作用が少ないため、小児の近視進行抑制に注目されています。
治療効果は、眼球の前後方向の長さである眼軸長を測定することで評価されます。点眼を継続することで、眼軸の伸びを抑制し、近視の進行を遅らせることができますが、中止すると効果が失われる可能性があります。

副作用として、まれにアレルギー反応や結膜充血などが起こることがありますが、通常は軽度で、点眼を中止することで改善します。
ただし、個人の体質によって反応は異なりますので、治療を受ける際には、必ず医師に相談し、説明を良く聞き、納得した上で治療を受けることが大切です。

治療の効果と限界について

本治療は軸性近視の進行抑制を目的とするものであって、近視が全く進行しないというわけではありません。効果の判定には、白内障手術前に実施される眼軸長計測装置を用い眼軸長を計測します。
この測定結果から、点眼作用による軸性近視の抑制効果が確認できれば、この治療を継続することになります。
抑制効果が現れるのは点眼を使用している期間だけで、中止するとその効果は失われてしまいます。

本治療は、近年注目されている近視進行抑制治療法の一つです。特に、眼球が伸びることで進行する軸性近視に対して、その進行を抑制する効果が期待されています。
アトロピンは、眼の筋肉の働きを抑え、眼球の伸びを抑えることで、近視の進行を遅らせる効果が期待されます。治療効果は、眼球の前後方向の長さである眼軸長を測定することで評価されます。

治療の対象

  • 12歳以下の学童
  • 中等度(-6D)以下の近視の方
  • 3カ月毎の定期通院が可能な方

治療に使う点眼薬

0.01%アトロピン点眼薬5ml(なお本薬剤は、健康保険適応外の未承認薬剤であり、シンガポールで製造された薬剤の輸入品となります)

使用方法

就寝前 両眼1日1回点眼(1カ月1本使い切り)

点眼薬

オルソケラトロジー

オルソケラトロジーとは?

オルソケラトロジーは、特殊な形状のコンタクトレンズを睡眠中に装着することで、角膜の形状を一時的に変化させ、日中の裸眼視力を矯正する治療法です。
レンズのケアが重要で、定期的な眼科での検査も必要となりますが、レーシック手術のように角膜を切開する必要がなく、非侵襲的な点が特徴です。

オルソケラトロジーは、保険適用外のため、自費診療となります。

※湘南友愛眼科では、現在導入準備中です。今しばらくお待ちください。

オルソケラトロジーとは

治療に適している方

  • 日中裸眼で過ごしたい方
  • スポーツをしている方
  • 軽度から中等度の近視の方
  • 屈折矯正治療を受けたいが、手術には抵抗のある方

メリット

  • 日中は裸眼で生活することが可能になり、QOLの向上が期待できる

    日中、メガネや通常のコンタクトレンズなしで生活できるという点です。スポーツやレジャーなど、アクティブな場面でもメガネが曇ったり、コンタクトレンズがズレたりする心配がなく、快適に過ごすことができます。

  • 手術の必要がない

    裸眼で生活したいと思っても、ICL(アイシーエル)やLASIK(レーシック)などの外科的な処置は抵抗のある方もいらっしゃいます。 オルソケラトロジーは、就寝時にコンタクトレンズを装用するだけの治療で、装用を中止すれば2週間~1か月程度で元の眼に戻ります。

  • 子供でも使用が可能

    文部科学省の統計によれば、スマートフォンやタブレットの普及で子供の近視が増加傾向にあります。
    大人よりも子供の方が近視矯正効果を期待できる治療です。
    適応年齢は原則20歳以上です。保護者のサポートがあれば6歳から治療が可能ですが、当院では10歳以上の方を推奨としております。

    • 患者さま本人の十分な判断と同意を求めることが可能で、親権者の関与を必要としないという趣旨から、20歳以上を原則とする。20歳未満は慎重処方とする。(オルソケラトロジーガイドラインより転載)

デメリット

  • コンタクトレンズの管理が必要

    オルソケラトロジーは、睡眠中のレンズ装着によって日中の裸眼視力を矯正する画期的な治療法です。その効果を最大限に引き出すためには、毎日のレンズケアが欠かせません。
    専用のケア用品を用いて、丁寧にレンズを洗浄し、清潔な状態を保ってください。

    特に、タンパク質や脂質などの汚れが付着すると、感染症の原因となる可能性があります。ご自身でしっかりとケアを行い、定期的な眼科検診を受けることで、安全に治療を継続することができます。お子様がケアされる場合には、保護者の方のサポートをお願いしています。

  • 矯正効果を安定させるまでに時間が必要

    治療開始後、視力が安定するまでには、日によって視力が安定しないことがあります。
    開始直後は矯正効果時間が短く、夕方が近づくにつれて見えづらくなる場合もあります。継続装用することで効果時間が長くなることも多いです。

  • 費用が高額

    自費診療のため費用が高額となります。場合によっては、1年~2年ごとにコンタクトレンズの交換や再作成が必要になることがあります。

オルソケラトロジーの仕組み

レンズ装用前

オルソケラトロジーの仕組み

近視の場合、目に入った光が網膜より手前にピントが合うため、物がぼやけて見えます。

レンズ装用中

オルソケラトロジーの仕組み

就寝中に角膜の形状が変化(平坦化)し、ピントが網膜上で合い、近視が矯正されます。

レンズを外した後

オルソケラトロジーの仕組み

角膜の形状が一定期間保持され、日中は裸眼で物が見えます。

CONTACT

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当院は予約制ではありませんので、受付時間内にお越しください。
お問い合わせはお電話で承っております。