近視は、目に入ってくる光線のピントが適切な位置ではなく網膜の前であってしまう状態で、近くははっきり見えるのに、遠くはぼやけて見えてしまいます。
近視が進行してしまうと、メガネやコンタクトレンズなどが必要になってきます。
近年、スマートフォンの普及などから子どもがスマートフォンを持つことが多くなったことにより、近視になる子どもが増える傾向にあります。
小学生
中学生
高校生
※ 文科省:学校保健統計調査
近視の原因には、大きく分けて遺伝因子と環境因子の2種類あります。
環境的要因に比べ、遺伝子要因では近視になる確率が高くなります。
一卵性双生児は二卵性双生児の小児と比較して屈折度が類似しています。
米国での小学生を対象とした追跡研究によると、両親が近視の小児は、片方の親が近視である場合および両親がともに近視でない場合と比較して、近視の頻度が8倍高くなりやすいです。
近視になる原因として、長時間のテレビゲームや勉強などと考えられている方は多いですが、テレビゲーム時間や勉強時間は関係なく、日照時間が短い地域に住む人ほど近視になる確率が高くなります。
子どもの近視が進行すると、強度近視という通常の近視よりもさらにぼやけて見える症状が出てきます。
近視の量は以下の赤線の伸びた距離で決まりますが、強度近視の人ほど、目の奥行きが長くなり、目のさまざまな部分に障害が出てきやすくなります。
障害が出ると、将来的にさらに視力が低下するリスクを高めるため、注意が必要です。
日本でも近視は失明原因の第5位~6位と上位になっています。特に、-8.0Dより強い近視(強度近視)では、その80%に何らかの目の障害が起こりやすくなります。視力や視機能が大きく低下すると日常生活や仕事にも支障が出ます。
屋外活動時間が長いと、近視になるリスクが低くなることが報告されています。
シド二ー児童とシンガポール児童を比べた際に近視率はシンガポールの方が29.1%と高くなっています。
シドニー児童は読書時間がシンガポール児童より多いが戸外で遊ぶ時間がシンガポールより多いため、近視率が低くなっています。
シドニー児童シンガポール児童
(双方:中国人、遺伝背景除外)
読書時間
シドニー
シンガ
ポール
近視率
3.3%
シドニー
29.1%
シンガポール
戸外で遊ぶ時間
13.75時間
シドニー
3.05時間
シンガポール
近年、近視の進行が早くなっています。年齢が進むにつれて近視は進行する傾向にあるため、予防は早めに行うことが大切です。
近視と聞くと多くの方が病気だと考えてしまうと思いますが、近視だとしても病気とは限りません。近視には病気ではない単純近視と病気の疑いがある病的近視の2種類があります。
近視の疑いがある方は、どちらなのか診察してもらうことをおすすめします。
眼鏡をかければ視力が1.0以上得られ、 視野(見えている範囲)にも異常はありません。
眼鏡をかけても視力が1.0未満しか出ないか、視野に異常が出る近視があります。
失明の可能性がある、緑内障や黄斑変性の疑いがあります。
毎日寝る前に点眼薬を1滴さすだけの治療法です。この点眼薬には眼軸の進展を抑制する効果があり、近視の進行を遅らせる薬としての効果が確認されています。
一時的に調節力を麻痺させる作用があるため、さしたあとしばらくすると瞳孔が広がってぼやけたり眩しく感じたりしますが、すぐに寝てしまえば特に問題はありません。起きる頃には瞳孔は元の大きさに戻っていますので、日中に不便を感じることもありません。
コンタクトレンズを装用し、角膜(目の表面)を平坦化させることで一時的に近視を矯正する治療法です。
日中に裸眼で生活することを目的としており、就寝前にコンタクトレンズを装用し、起床後に外すというサイクルで治療を行います。オルソケラトロジーは特殊なコンタクトレンズを使用するため、自費診療となります。
子どもの目の対策は
早い段階から行うことが重要です。
湘南友愛眼科では
子どもの目の検査も行っています。
目について気になることがあれば、
一度ご相談ください。
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