目の中には「房水」と呼ばれる液体が流れています。この房水は「毛様体」という組織で作られ、目の中を巡った後、「線維柱帯(せんいちゅうたい)」というフィルターを通って「シュレム管」という出口から排出されます。
房水は、目の形を保ち、栄養を供給する役割を果たしていますが、何らかの原因でこの流れが滞ると、眼球内の圧力(眼圧)が異常に高くなることがあります。眼圧が高い状態が続くと、視神経が損傷を受け、視野が徐々に狭まっていきます。これが「緑内障」です
緑内障で一度失われた視野は回復しませんが、点眼、レーザー治療、手術などで進行を食い止めることが可能です。
消えている箇所(視野欠損)があります。頭の中で勝手に背景を補い、全て見えていると錯覚してしまいます。
消えている箇所に加え、ぼやっとしたかすみが出現し、拡大していきます。
鮮明に見える範囲が狭くなっています。(視野狭窄)
当てはまる項目があれば受診をおすすめします。
緑内障は、初期にはほとんど自覚症状がないため、気づいた時にはすでに進行している場合が多くあります。そのため、早期発見と進行予防が非常に重要です。
40歳以上の20人に1人が緑内障であると言われており、症状がない場合でも、40歳を過ぎたら一度眼科での検査を受けることをおすすめします。
1日に1~2回、定期的に目薬を使用することで眼圧を下げ、視神経への負担を軽減し、緑内障の進行を抑える効果があります。
目薬の種類によっては、目の充血、睫毛の成長、目の周りの皮膚が荒れる、目のかゆみなどの副作用が現れることもありますが、医師と相談しながら継続することが重要です。
前述のように、目の中には「房水」と呼ばれる液体が巡っています。
房水の生成量と排出量が適切に保たれていると眼圧も正常に維持されますが、何らかの原因でこのバランスが崩れ、排出が滞ると眼圧が上昇してしまいます。
これは、空気が入り過ぎて膨らんだゴムボールのように、逃げ道を失った水が眼球内で圧力を上げ、その結果、視神経に負担をかけるためです。
排出がうまくいかなくなる原因には、「隅角が開いているがその先に詰まりがある」または「隅角自体が狭くなったり閉塞したりしている」ことが挙げられます。
当院ではこの状態を改善するため、患者さまの目の状態に合わせて2種類のレーザー治療を行っています。
治療はどちらも点眼麻酔で行えるため、治療後は洗顔や洗髪などの日常生活に制限はありません。レーザー照射の前に瞳孔を縮める点眼薬を使用するため、施術後は一時的に光が入りづらく、暗く感じる場合がありますが、点眼の効果は4~8時間程度で切れますのでご安心ください。
当日は瞳孔が縮まった状態でお帰りいただくため、お車やバイク、自転車でのご来院はお控えください。
隅角が狭くなったり閉塞したりしている方を対象とした治療です。
急性緑内障発作の予防や緩和を目的に行われ、レーザーで虹彩(茶色の部分)に小さな穴を開けて、房水の流れを確保します。
治療自体は10分ほどで終了しますが、発作を起こしている場合には、まず眼圧を下げるための点滴が必要です。また、発作中は目が腫れているため、レーザー処置にも通常より時間がかかることがあります。
急性緑内障発作とは、房水の通り道である隅角が突然ふさがり、房水が排出されなくなることで眼圧が急激に上昇する状態を指します。この急激な眼圧の上昇により、頭痛、吐き気、嘔吐、目の充血、霞みなどの症状が現れます。
この状態が続くと、目と脳をつなぐ視神経に強い負担がかかり、視神経が損傷されます。発作が発生してから時間が経つほど視神経へのダメージは大きくなり、進行すると視野が失われ、最悪の場合、一晩で失明に至ることもあります。
この発作を予防する、または起きてしまった発作を緩和するために行う治療がLI(虹彩光凝固術)です。ただし、場合によってはLIだけでは発作を止められず、その際には手術が必要となることもあります。
急性緑内障発作は、目の奥の圧力が急激に上昇することで起こる病気です。
特に、遠視の人や高齢の女性はかかりやすく、暗い場所で寝たり、特定の薬を飲んだりすることが発作の引き金になることがあります。
発作が起こると、激しい頭痛や吐き気、視界のぼやけなどの症状が現れ、放置すると失明の危険性もあります。
早期発見・早期治療が大切なので、少しでも異常を感じたら、すぐに眼科を受診しましょう。
目薬だけでは眼圧が下がらない場合、手術が必要になることがあります。手術は、線維柱帯切除術や濾過手術など、様々な方法があります。
これらの手術によって、眼圧を下げ、視神経への負担を軽減します。
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