白内障手術
「後発白内障」とは、どんな病気ですか?

白内障手術を受け数年経ちましたが、またまぶしさや見えづらさを感じるようになりました。病院では「後発白内障」と言われましたが、どんな病気ですか。
A. 後発白内障とは、白内障手術後に明るくなった視力が、半年や数年経過して、また視力の低下や目の霞みなどの症状がでる病態です。
原因は、白内障手術で留置した眼内レンズを包んでいる袋の後部(後嚢)に自身の細胞が増殖し、水分を含んで膨張することにより濁りが生じてくるからです。
この濁りは術後5年で約20%の患者さんに発症するといわれており、決して頻度が少ないわけではなく、多くの白内障手術患者が経験する可能性があるものと言えます。
治療はレーザーにて濁った膜(後嚢:こうのう)を切除します。
入院の必要はなく、外来にて10分間くらいでできる処置です。痛みもほとんどない安全な治療法で、重大なリスクや副作用はほとんどありません。
しいていえばレーザーにて粉々に破った後嚢のカスが眼内に散布されるので飛蚊症を感じます。
このカスは自身の目の自浄作用にて数日から数週間できれいになります。ときに、後発白内障の混濁が強い場合は手術加療が必要になることもありますが、レーザーで破った後嚢は再生しないため、一度治療を受ければ再発の心配はないとされています。
白内障術後の方で霞みや視力低下を感じる場合は後発白内障かもしれません。お早めにお近くの眼科受診をお勧めします。